医療事務をしてみたいけど、どんな仕事なの?
実際にどんな1日を送っているのかイメージができない…
医療事務に興味を持った方はこんな疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問にお答えします!
実際に12年医療事務として勤務している筆者が、具体的な仕事内容をお伝えします
最後まで読んでいただけると、以下のことが分かります。
- 医療事務の仕事内容
- 実際の1日の流れがイメージできる
- どんなやりがいを感じられるか
医療事務に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
医療事務の仕事内容は?
医療事務とは、クリニックや病院などの医療機関で働く事務職のことです。医師や看護師のサポートを行うため専門知識が必要ですが、無資格・未経験から始められます。
また求人数も多く、全国どこでも自分に合った働き方を選べるのが魅力です。
そんな医療事務の仕事は、実際に働く場所によってさまざまな業務に分かれています。
窓口業務
「医療事務」と聞いて多くの人がイメージするのが、この窓口業務。窓口では「病院の顔」として、笑顔で気持ちよく患者さんへの対応を行います。
病院の受付に座っているスタッフのことだね!
来院した患者さんから保険証を預かり、問診票の記入をお願いします。
保険証や問診票からの情報を、カルテへ登録していきます。
作成したカルテを診察室へ届けると、診察が始まります。
診察が終わった後は、医師が行った医療行為について医療費を計算します。
患者さんから医療費を徴収し、処方箋のお渡しや次回予約の説明をして終了です。
保険証からわかること … 氏名や生年月日のほか、加入している保険の番号や有効期限など
この合間に、電話による問い合わせの対応や院内清掃なども並行して行います。
大きな病院では一つの業務を担当することが多く、クリニックなど規模が小さくなっていくほど、複数の業務をこなす傾向にあります。忙しく慌ただしいことも多いですが、患者さんと直接コミュニケーションを取れることが大きな魅力です。
レセプト作成業務
「レセプト」と呼ばれる診療報酬明細書を作り、医療費を保険者へ請求します。
- レセプトってなに?
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簡単に言うと「病院の収入を得るための請求書を作る仕事」です。
病院の収入って、患者さんが窓口で支払っている医療費のことじゃないの?
実は患者さんに請求をしているのは3割分で、残りの7割は加入している保険者へ請求する必要があるんです。
医療費は、診療報酬点数というもので細かく点数が定められています。この点数は、1点10円として金額に換算されます。
金額に換算すると10,000円 → 3,000円を患者さんへ請求、7,000円を保険者へ請求
この残りの7割の医療費を請求することが、レセプト業務なのです。
この仕事をする上では、カルテを読み取る能力や病状についての知識が必要となり、医療事務の中で病院の収入を支える最も重要な仕事と言われています。
クラーク業務
クラーク業務は、医師の事務作業を補助する仕事です。診察にかかる事務的なものや書類作成をサポートします。
具体的には、以下のような業務内容です。
- 診察室の準備
- カルテの代行入力
- 医療文書の代行作成
- 入院病棟でのカルテ整理
- 入退院にかかる書類の準備
カルテの入力や診断書などの文書作成を代行したりと、医師への直接的なサポートをします。そのためクラーク業務は、医療事務の中で1番 医師や看護師と 距離が近いところで仕事をします。
治療の最前線で働くことで、チームの一員として働くやりがいを感じられますよ。
医療事務【1日の仕事の流れ】
医療事務の実際の1日ってどんな流れなの?
筆者が実際に勤務している、クリニックでの窓口担当の1日を見てみましょう!
- 8 : 30 〜
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出勤・PC立ち上げ・院内整備
- 9 : 00 〜
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午前の窓口業務が開始。午前中は予約も多くとても混雑します。受付・会計・電話応対と取り組んでいると、あっという間にお昼になります。
- 11 : 30 〜
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スタッフ同士で交代しながらお昼休憩です。
- 12 : 30 〜
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午後診察の前に院内清掃や備品補充などを行います。束の間のゆったりとした時間が流れます。
- 14 : 00 〜
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午後の窓口業務が開始。午前と同様、受付・会計・電話応対をこなします。余裕があれば翌日の予約準備なども行います。
- 18 : 00 〜
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診察終了。レジ締め、片付け、院内清掃をして業務終了です。
医療事務【1ヶ月の仕事の流れ】
1日の流れはわかったけど、1か月ではどんな流れなの?
医療事務の仕事のサイクルは1か月です。詳しく見ていきましょう!
- 1日〜
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レセプト業務開始!前の月に来院した患者さん全員分のレセプトを作成します。医療事務員が1番気合いを入れる期間です。
- 10日
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毎月10日はレセプト請求の締切日。オンラインで請求書を送信して終了!お疲れ様でした。
- 11日〜31日
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レセプト請求が終わり、ほっと一息……。ここからはまた日々の算定チェック等、翌月のレセプト請求に向けて動き出します。
レセプト業務は、ほとんどの医療機関ではレセプト用コンピューターで作成・管理されています。そのため、レセプトの内容で必要な病名や算定誤りがないかの点検が、主な作業となります。
病院によっては、多忙のため日中にレセプト業務ができないので、月末〜月初は診察終了後に残業をするところもあるようです。これは患者数やスタッフの人数などによるため、医療機関によって大きな差があります。
医療事務のやりがい
覚える事が多く大変そうな医療事務ですが、その分やりがいもしっかりと感じられます。
筆者が実際に感じたやりがいをご紹介します
専門的な知識が身につく
医療事務の仕事では、接客マナーや書類処理などの一般事務スキルに加え、保険制度や医療の知識がどんどん身についていきます。
こんな症状があるけど何科に受診?
入院になったけどどうすればいい?
医療費が心配…… どの位かかる?
このような場面に出くわした時も、慌てずに自分で対処できるようになります。
自分自身が生きていく上で、役に立つことばかりです。一生もののスキルを働きながら身につけられるのは、この仕事ならではですね。
病院経営の支えになれる
病気や医療行為について知識が増えていくについれて、
こういう症状があるから、この検査をするんだな。ということはこの点数も一緒に算定できる!
このように自分の力で算定ミスを防いで、病院の収入アップに貢献できることが増えていきます。
私自身、この瞬間が1番医療事務としてのやりがいを感じられました。
表立った活躍ではありませんが、大切な病院の収入を守る仕事ができます。
誰かをサポートする役割が好きな人には持ってこいの仕事です。
頼られる存在になれる
窓口で仕事をしていると、患者さんから
「この点数って何のこと?」
「健康診断で引っかかった!どうすればいい?」
「予防接種をしたいけど、どんなスケジュールで打ったらいい?」
など、数え切れないほどの質問が寄せられます。
一つひとつ丁寧に答えることを心がけて対応していくと、感謝の気持ちを受け取ることも多く、とてもやりがいを感じます。
毎月通う患者さんに名前を覚えてもらったり、病状の回復を一緒に喜んだり、窓口でのやりとりは本当に楽しいものです。
医療事務は一生もののスキルを身につけられる仕事!
忙しい医師や看護師が100%診療に集中してもらうために、医療事務は欠かせない存在です。専門知識を覚えたり、多忙な中でも正確な仕事を求められたりと大変な面もあります。
しかし、この仕事で得られるスキルは一生ものです。医療のニーズは今後もなくなることはありませんし、全国どこでも働けることは大きな強みになります。
この記事を読んで、医療事務に興味のある方が、より具体的に働き方をイメージできるようになると嬉しいです。
医療事務の収入や残業については、こちらの記事もぜひご覧ください。